転職活動で内定もらったのに嫁ブロックで辞退した話。
仕事のストレスに耐えきれず転職を考えるようになった
転職を考えるようになる理由はいろいろあるけれど、一番大きいのは仕事のストレスだろう。私も仕事のストレスで転職を考えた。
三年間耐えてきたが状況は好転せず
会社の上層部の人間が交代し、会社の雰囲気がガラッと変わってしまった。人間性を否定され、ストレスが溜まるようになり無気力に。体も不調をきたすようになってきた。
「同じ状況がずっと続くはずがない。」と思って耐えてきたが、どんどん悪化する一方。転職も考えていたが、40代の転職は妻に反対されるのが目に見えていたので、伝えることができずにいた。
転職活動開始
自分でストレス耐性が低いことを認識していた私は、取り返しのつかなくなる前に今の状況から抜け出さなければならないと思い、意を決して転職活動を開始した。
転職サイトを眺めたり、企業サイトの採用情報を検索したりして情報を集めた。情報収集の方法としては結局、地元の良さそうな企業を見定め、直接企業のサイトを見て、採用情報が掲載されているかどうかを確かめる方法が自分には合っていた。
一度目の転職活動は面接で落ちる
やりがいのありそうな会社を見つけ、面接を申し込んだ。当然給料は今より下がる。
この時、妻には転職を考えていることを軽く伝えていて、面接を受けることも伝えていた。妻は転職をあまり良く思っていないようだった。
しかし、妻が不満を持とうが、自分がうつ病になる前に転職するしかないと思っていた。
妻「内定出たらどうするの?会社辞めるの?」
私「う~ん、受からないと思うけど、受かったら考える。」
「転職する」と言い切ると反対されるのが明らかだったので、本当の気持ちは言い出せずにいた。
結果、内定はもらえず、一度目の挑戦は失敗。「自分は必要ない人間なんだ。」とショックを受けるも、今の会社に留まるつもりはなかった。
二度目の転職活動で内定をもらう
半年ほど経って、またやりがいのありそうな会社を見つけ、面接を申し込んだ。やはり妻は不安を抱えていた。前回と同じような雰囲気。
妻「私は転職反対。」
私「反対って言われてももう転職以外にないよ。。。」
後ろ髪引かれながらも面接に臨んだ結果、有難いことに内定をいただけた。
超強力!嫁ブロック発動!
内定もらったことを妻に伝えると、怒りは爆発。嫁ブロック本格発動。
妻「私は転職反対って言ってるでしょ!!」
内定をもらえたら、受け入れてくれると思っていた。こんなに反対されるとは思っていなかった。
ブロックの理由はただ一つ
どうしてそんなに反対するのか。理由はただ一つ、“お金”だった。
転職することで、いったん約200万円ほど収入が減ることになる。それは大きなことだという認識は私にもあった。
話は平行線で時間ばかりが過ぎていく…
「収入が減っても、今の会社から抜け出して、やりがいのある仕事をしたい」と思っている私と、「お金を稼ぐためには、嫌なことに耐えるのが当たり前」と考えてる妻。話は平行線でどうしても許してくれなかった。
転職は断念し、内定を辞退する
毎夜話し合いをしたが説得できず。
妻「それでも転職するならもう無理。離婚する。」
子どももいるため離婚と言われると転職を断念するしかなかった。
嫁ブロックを甘く見てはいけない
「自分の置かれている状況を説明すれば、給料が下がっても転職するしかないことは分かってくれるだろう」と考えていた私が甘かった。
そもそも置かれている環境が違う
私の会社の中でも転職を考えている人は多い。会社の中では気持ちは理解しあえる。しかし会社外の人に話したらそれは通用しない。この状況を経験していない人には理解してもらえないのだ。これは妻以外でも同じだった。
友人A「そんな上司どこにでもいるよ。」
友人B「方法が少しおかしいけど、良くしようと頑張ってくれてるんじゃない?」
会社外の友人に相談しても理解してくれることはなかった。これが客観的な意見だ。そういうものなんだろう。
そもそも考え方が違う
昔は私もそう思っていた。
「お金を稼ぐためには我慢と忍耐が必要。雇われるとはそういうこと。」
「世の中には理不尽な人もいる。どこにでもいる。」
そう思ってた。けど、今はそうは思えなくなった。我慢できることとできないことがある。染まりたくないし、自尊心を傷つけられながらの仕事はもう耐えられなくなってきた。
しかし妻は言う。我慢と忍耐でお金を稼ぐものだと。弱音を吐くな、ストレスは気合で乗り切れ、と。
共働きでも嫁ブロックは存在する
「奥さん働いてるんでしょ?転職で給料さがっても何とかやっていけるんじゃない?」
相談した友人にそう言われることもあった。でも実際は違った。
妻「私もこんなに頑張って働いてるのに、自分だけ楽をするの?そうやって私を頼るの?私が働いていなければ転職なんてできないでしょ?あなたが楽するために生活レベルを落とさなければならないの?勘弁して。」
私と同じくらい稼いでいる妻の言葉が心に刺さる。
最悪離婚に発展する
「転職するなら離婚する。もう耐えられない。」
私はその言葉が理解できなかった。離婚したほうがお金に困ると思ったからだ。しかしもうそういう問題ではないみたいだ。感情的なものだった。
「頑張って働いてる横で給料減らしてまで楽する人が居るのは耐えられない。」
大きな怒りの感情が離婚にまで発展させる力を持っていた。これは理論的には解決できない。どんな理由を並べても転職を受け入れてくれることはないため、転職を諦めるほかなかった。
周りに多大な迷惑をかけることになる
そういう私も感情的な妻を責めることはできない。妻の同意をしっかりと得ていない状況で転職活動を行った私に責任がある。
私のせいで、内定をくれた会社には多大な迷惑を掛けてしまった。時間を取ってもらったあげく、内定を辞退。本当に申し訳ないことをしてしまった罪悪感。自分の軽率な行動を後悔した。
嫁ブロック対策
嫁ブロックは存在する。複雑で強い感情がブロックの原因となる。
こじれる前に話し合いで解決するしかない
“複雑で強い感情”とは何なのか。
「私や子どものことより自分のことを考えている。わがままだ。」
「転職のことを相談してくれない。私は軽視されている。」
「私だって仕事は辛くいし逃げ出したくなる。私のことなんか理解してくれない。」
「あなたのせいで節約、我慢しなければならない。理不尽だ。」
「あなただけ楽して不公平だ。」
「お金を稼ぐということを軽く考えている。考えが甘い。」
全てが言葉となって出てきたわけではないが、このような思いを感じた。
どうすれば妻にこのような思いをさせずにすんだのか。どうすればこのような思いを最小限に抑えることができたのか。それはただ一つ、「相談」以外にない。単純だがこれが最大の解決策になる。
ぐっとこらえて相談しよう
自分を中心に考えてはいけない。「自分のことは自分が一番知っているし、これからのことも自分が一番考えられている。自分には最良の決断ができる。」と思っていると足元をすくわれることになる。
どんなに自分の考えが正論であったとしても、ぐっとこらえて妻に転職のことを打ち明けよう。そしてアドバイスをもらおう。
「転職を本気で考えているんだけど、話を聞いてほしい。」
「これからどうすればいいと思う?」
自分の考えを理解してもらえなくて当然。それでも理解してもらうしかない。理解してもらえないことに腹を立ててはいけない。絶対に。相手の意見に共感しながら、少しずつ自分の思いを話そう。譲歩できるところは譲歩しよう。二人の落としどころを“二人で”探っていこう。
妻への相談は必ずと通らなくてはいけない道だ。妻への相談は“最難関の一次面接”なのだ。
切り出すタイミングは?
切り出すのは早ければ早いほうがいい。転職サイトなどで採用情報を収集し始めた時が切り出すタイミングだ。
なぜなら、良い採用案件があり、申し込もうと思ってから相談した場合、妻ブロックが長期化し、募集期限が過ぎてしまう可能性があるからだ。また、許可をもらえず面接を受けてしまうと私のように内定辞退せざるを得なくなる。せっかくのチャンスを逃してしまうことになる。
何はともあれ少し前進
私は転職を諦めなくてはいけなくなったものの、その後の話し合いの結果、「3年間今の会社で働いた後は自由にしていい。」という条件付きの転職許可をもらうことができた。現状が辛くても、不思議なことに期限があると「それなら我慢できるかも」と思えた。
3年経てば状況も変わるかもしれない。もしかしたら、もしかしたら今の会社でも居続けられる環境に変わっているかもしれない。そうじゃなくても次は転職することができる。希望があれば頑張れる。
転職することでしか希望が見出せないと思っていたが、少し間違っていたようだ。あんなに自分の考えが最良だと思っていたのに。
もし嫁ブロックが起こりそうだと予想できるのであれば、事前に奥様に相談することを強くお勧めする。「転職する。」ではなく「転職を考えている。どう思う?」の姿勢は非常に重要。私も最終的にこの「どう思う?どうしたらいい?」の姿勢で条件付きの転職の許可を得ることができた。
転職を考えている人は多いと思うが、少しでもこの記事がお役に立てれば嬉しく思う。
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